作成者別アーカイブ: Kurokawaryu

イチローとは違う意味の

黒川隆介/Kurolets Kurokawa Ryusuke 
I write Poetry and Video.

 同じような朝を待ち
 同じような昼飯を食べ
 同じような場所で夜を過ごす
 同じ
 同じ
 同じ
 馴染み
 リピート
 繰り返す
 お馴染みの安全地帯
 やり過ごすための仕事に
 やり過ごすための定食に
 やり過ごすための酒場に
 どれも弛んだルーティーン
 朝と昼と夜の間に不断の血豆ございますか
 ありません、しのぎであります
 打席は回ってこないままに
 喉を消毒
 恋路か旅路か
 当然のを同じように忘れ
 同じように手を抜き
 同じように忘れ
 同じように習慣の向くままに集い
 戯れあって
 馴れ合って
 はい、卒業文集は泣いています!

 ぬるま湯に沈殿する彗星が頬を赤らめる
 塵にまみれた瞳
 日没を待つだけの脹脛
 ずらりとカウンターに並ぶマネキンに服を着せれば
 座り込んだ眼が破裂する
 主のドーナッツを通過する流線型
 馳せる値打ちの無い追憶が大言から迸り
 泥濘に鎮座するろくでなしの正義感が木霊する
 振り返らせるつもりのない声で叫ぶな
 自らの肋に撥ねる声を話せ 
 うつろな目をこじ開けた眼でしか、
 昨日までと今からの距離は見えないから
 肉と骨がぶつかる音に耳を澄ませ 
 張り手の舌触りは足跡を飛び越える
 後悔なんて、鏡を前にするもんじゃないだろう

永遠に

 桜
 初雪
 満月
 花火
 虹
 蛍
 初夏 
 日の出
 セーヌ川
 より
 なにより
 魂が戯けてしまうものを知っている
 造形や造詣を超えて芯なる恋が唯一だと知らせるものを知っている
 そしてそれが
 触れられないものだということを知ってしまった
 替えのきかないもの、こと、ひと
 愛は、ひと
 愛は、触れられなくとも、交われずとも、
 桜のようにただそこに
 初雪のようにただ見つめ
 満月のようにただ想い
 花火のようにただ眺め
 虹のようにただ願い
 初夏のようにただ待ちわび
 日の出のようにただ出会い
 セーヌ川のようにただ通い
 そこに確かに在ることを知れたことに
 魂の帰り路を独り見るのだ

星のかけら

高層ビルに見下ろされた路地に飛び出し
黄金色の歌と
乾ききらないアスファルトを踏みしめていく
惑星プロキシマbへは行ったことがないが
高架線の向こうにはそこからの景色が見えている
天体に浮かぶ感性という感覚
どこから湧いてきたのか
日本人でも世田谷区民でもない
空より遠いところからこの街の空を見ている
教室で知ったこと以外のことを
べんきょうと呼ぶことが許されるなら
その先に広がる深遠さについて説明することができるのに
教室で知ったこと以外のことはなかなか言葉にならないものだから
説明という言葉の前に膝をついてしまいがちだ
ひとつ、美しいということ
美しいということを美しいと言えるために
瑣末な美しさに気がついてきたんだ
意識の地層を遥か超える景色が眼前に屹立していた場合
それは言葉になるより実感になるだろう

オシャレポエム

泣き言のような文言や
ファッション誌の目次に似た言葉が詩と呼ばれるなら
もう職業詩人はいらないんじゃないか
詩を仕事にする為に詩のようなものを書くようになるなら
詩人でいなくていいんじゃないか
甘ったるい、それでいて蝶ネクタイのような言葉を連ねて詩人と叫ぶより
その履歴書のような詩集を持ってマガジンハウスの面接に行った方がいいんじゃないか
詩が現代に必要か否かの前に
これまで詩が何を紡いできたのか深く息をとめて、もぐれ!