21g

初めて酒を口にした日、真夏の夜の夢が流れた
50mを自分が何秒で走れるのかを知った時に消える質量
算数のテストで大体何点取れるのかを知った時に消える質量
好きな異性と両思いになれるタイプかそうでない部類か自分の資質を知った時に消える質量
自分の距離をまだ知らない3月の自分
自分の限界に触れたことすらないおしめを履いた自分
さじ加減がその目に見えるようになるまで、躊躇うことは誰にも無い

落とし穴に落ちたことがなければ、照り返る砂浜をおそろおそろ歩くことはない
今あなたが何回春を迎えたかは知らないが、何を覚えたか
この何年何十年であなたが、何を知ったか
いつかあるいは明日かこの後かに来る死の先がどうなっているのか確かな学びを得たのか
愛とは何かを聖なる目合いのなかで覚えたのか
へその緒を切り落とされ光を前に鳴き声をあげてから、
あなたは何か変質しないものをその掌に持っているのか
知った気になって大人なふりをして、子どもと呼ばれる人間にたいそうなアドバイスをするな!