道満ちて

痙攣する指の丸いカーブ
見慣れた景色ではなくなっている
点と点が点から線へ
点から線が、望外に道へ
振り返らないとわからないこともあるが

畦道を横に並び歩くこともない
蝉の鳴く声がきこえるはずだ
額を走る汗の速度
陽光に照りつけられた砂利道も浮き足立ち
親子の風景を蜃気楼に委ねる
水鉄砲を抱え跳ねるわたしの背中は
同様にもう見慣れない光景へと変容しているのだろうか
それとも
連れ添って歩いたことのない畦道を慕って
いま遅れてきた蝉の声援とともに夏を迎えに出ているだろうか