運命の人と言ふ人

バッターボックスに立つ
ピッチャーが振りかぶる
腰の回転と共にバットが球をかすめる
ストライク

当たったと思ったが当たらない
毎回それの繰り返し
それが野球で、恋だ

ピッチャーが投げる
捕らえようと喉をしぼる
好きだ
かすめる水っぽい肉厚の唇
そこに恒久を見る

ただ、試合は続く、命も続く
そうして再びピッチャーは振りかぶるのだ
時針は後転を始め 卵黄が膨れ上がり弾ける
勢いよくスイングされるバットは捉える
熱にうなされる直感めいた思慕を

永遠を立像させ倒れ込んだ先もまた
次の打席である