送りバント

間延びした動悸
その場しのぎに気付く老衰
引き返せない出立
漕ぎ出処づる日の頬
寒空に赤むる頬
今ここに在る頬
じれっと垂れ下がり
靄に救われている薄いモラトリアムを
彼は齧っている
きみは酔ってたか?
酒に
じゃないとしたら
それは恐ろしい時間の
足音の過ぎ去りし後ろ髪だ
掴むのかどうか
掴めるのかどうか
送りバントで
ランナーはホームまで走れるか