神経が摩耗して湖底が見える
際限無く生物の可能性を漂わせた水面も
深淵さに覗き込むことすら憚られた漆黒も
もはや薫りを仄か残すばかり

孤独を口に運び
痛みを肌に吸い
離別さえ養分としてきた個体はいよいよ虫の息

非凡はダッキングから平凡へ
平凡はアタッキングから非凡へ
身体性と精神性の綱渡りから成る曲芸師
するめいかをしゃぶるように命をしゃぶり尽くせないようだと
詩人は死ぬ

街の声に耳を澄まし
地表の蠢きを聴け
揺れる体温を嗅いで
濡れ落ちる重力を食え

耳を塞ぎ 聞き
口を閉ざし 話し
触れずに触れ
動かずに走り
静寂に叫び
喉を潰し歌え
明日を知らぬように今日を
生きるように生きろ

すれば
じんじんと痛むだろう
身体と
命が