美は落ち葉のなかに

目を見開いて
回遊するようにその街を歩いて
小さな芽を見つけて
じょうろで水をあげることを知って
下痢気味の日もデートの日もどんな日も毎日水をあげて
いつしか芽は葉を生やし
いつしか根は太い茎をたくわえ
色は瑞々しい緑から茶に変わり
陽を浴びせ、言葉をかけ、そして愛で
それはやがて木になり、
雨宿りの際には止まり木となり点を彩り
カブトムシにとっては大地の果実を頬張る命となった
四季の螺旋と共に年輪は滲み枯れ葉が顔を出し始め
一枚の落ち葉が街の頬に触れる
その落ち葉には芽から樹林になるまでの受容と染み込みきった景色がある
哲学も思想も味わいも 香りも
しかし値札はつかない

目を閉じて
感受性に蓋をしてその街を移動して
芽に気を向けたことがない
茎を知らない
色を想像しない
拾うのが上手な落ち葉ひろい
パパッと落ち葉を4枚セットに揃える
しかし値札はつく
木を知らないお金持ちの落ち葉ひろい