終演時間が決まっている孤独

裏返る布切れ
風は音を立てず
そして止まる素振りを見せない
虫の音と共に雨は灰に変わり
肉厚の塊に撥ね上げられている
鈴虫が厳かに笑う
波はゆらゆらと街を飛び、闇を塗り足していく
水分は翼をはためかせ鉄骨群を色めかす
艶めかしくゆれる高層ビルの股ぐらに魅かれ
灯りの消えた六畳一間は胸がざわめく
朝は果たして来るだろうか
その向こう側にはまた朝があるのだろうか
夜に始まり夜で終わってくれるなら
平安時代から誰も死なずに済んだかもしれない
それでも街は朝を望み
人は夜を有限にした

水星は地球をどんな目でいま見ているのだろう