疼痛

巧妙なる夜更けの静寂
四畳半に浮遊する寂寥とした肉は
綱渡りを披露する軽業師に滲む
下がらない溜飲をフライパンで炒めた後は
箸の進まない朝食が始まることを知っている
あなた
は他にまだいない
あなたとわたし
なんてものはまず成立し得ない奇蹟の隆起
幻想が揺らぐ時
人は美しいと漏らす
点としての時刻が現在を震わす時に
吐露される態
それは鏡面だ
渡れない綱だ
浮かばれない天井と
その足下の四畳半
茫漠とした線
明確な歩を進めたいか?