星のロンド

蠢く街のなかに覗く深海
色を持たないダイバーが泳ぐ
滲むように光るエメラルドグリーン
指先から溢れる吐息と鼓動
都市は地表を軸に旋回していく
遠心力と曖昧の狭間で熱を持つダンス
踊る流線型と素早く交差する点に仰け反り
裏側から涌き起こる円舞
背びれをくねらせ潜りゆく光の一筋が
闇の切断面を星空に似せて切り取っていく
言語の無い水面はやがて重さを持ち
そして忘れることのない横顔を内ポケットに沈む
球体は灼熱の周囲をまわり
宇宙の裾野を抱きながら零す
地球の記憶が薄れていくのと比例して拡大していく真空
ダイバーの遥か遠い足下に揺蕩う声
天体図から光の泡沫が溢れ
深海を一気に駆け抜ける
漆黒は眩い粒に散らされ宇宙の端に加担する
飼い犬がどれほど遠くに捨てられてようと故郷に戻ってくるような推進力をもって
太陽に向かう一座
踊るロンド