不思議な生き物がいる

自分が必ず消えてなくなるとわかっているのに
毎日食べ物を食べ、そうして1秒でも生き長らえようとする

おなかすいたー
なんて言って、数時間後には排出されることが決まったものを笑って生き甲斐だなんて、摂取したりする
 
自分が必ず消えてなくなると知っているのに
自分だけにわかる重要な人を探し、そうして見つけて共に一生いようとする

愛してるとよく掴めていないで観覧車に揺られ発して、次の月には違う異性と揺られたりする

自分が必ず消えてなくなると見えているのに
消えたあとの世界があるのかも無なのかも知り得ないなか、子供をつくり、残そうとする

その目の前の笑顔が、自分が消えたあとに苦しみに変わるかもしれない未来を濁して、遺言を書いたりする

ぷつんと、あと数時間後に意識が無くなるかもしれない
それが明日に延びようと、来年に延びようと、数年後だろうと、
そしてそれが自分にも学者にも知り得ないとしても
それを忘却の彼方に蹴飛ばし、
目を閉じ耳を閉じ他人を愛すにんげん
人間

愛してると1回言っても
1000回唱えても
おまえは死ぬのだ

明日か何年後か何十年後か
決まって、努力も、夢も、哲学も、愛も、無縁に、誰も知り得ない状態に消えるのだ

それでも1億2千万人が生きる理由はなんだ
60億人が生きる理由もなんだ

今日も今も、触れたい人の手を握り
胸の裏側を温めているのはなんだ

死を前にして、人を愛するのはなぜだ

人間が生きるのは、なんだ