愛の道

怪訝な薄暗い朝日が芽を出している
微かに聞き取れる反響音は
個人の一生をスライドショーのように映し出している
トンネルは長い
しかし虫の知らせが届く距離にはない
人生は短い
という言葉に踊らされて
それをかえって知ろうとしない者たちの国
数秒でいい
自分を含むただいま地上にいる人間すべてが百年後には誰もいないことを
肌で感じようとすること
虫は鳴き
雲は疼き
夜は喉を潰すほどに叫ぶ
ファインダー越しに見るあの子
横顔に恋をしてしまった
ドライヤーが街を乾かす音が聞こえてくる頃には
明日がやってくる
六十億の同じ動物がいて
過ごし乾杯をする相手はたかだか両手で数えるほどだとすると
いま目の前にいる生き物を愛さずにはいられまい
メールの送り主を愛さずにはいられまい
トンネルは長くて暗くて途方もなく
そして短い
人生を
きみは愛さずにはいられまい
詩なんてわからなくていい 読まなくていい
でも、目を閉じ明日を迎える準備をする頃には愛さずにいられまい
もうすぐしばらくで終わる人生
あなたの命を