届かないランボー

書かないと眠れなかった
書かずに眠ることなんてできなかった
言ってしまえば誰もが詩人であるが、
わたしは自分のなかに崇高な詩人を何度も見てきた
死別や 己の魯鈍さや 怠慢 反吐
鬱蒼と自生するあらゆる蒸された情感と
常に腐りかけの鏡の前に直立する自分をなんとか赦してきたのは
いつも一篇の詩だった

時に母のように、時に義足のようにわたしを支えてきた詩が
いま消えていく

もう何か月もあの詩人を見かけていない
わたしはもうすぐ死んでしまう