寂寥の宴

思わず人差し指を両耳に突っ込む
深夜2:00
煩雑な波
波は振動で振動は音だ
窓を透けて届くのは浮ついた車のタイヤ痕と
室外機が空回りする歪みのみだが
音の首根っこを掴んで床に額から叩きつけたくなるような
衝動的な静けさへの渇きが掌を鼓膜に押しやる
空気は肌に衣に巻き付き足を引っ張り
何でもあるが何もない首都の自由さ故の不自由を露出する
何処までも行ける、だが何処も無い
声は聞こえる、だがきこえない
目の前にいる、だが何もいない
何もいない、だが煩い
羽音のけたたましいサナギ
雨に浸されたテレビ
しめられた牛
還る処の無い恋も同じ方を見て海に還る
それしかないことを音の無い街は知っているから
そうしてまたその両手はもといた場所へ帰るのだ