道玄坂

振り返っても誰もいない帰り道がある

よくある現象の景色だ

働き盛りになって 酒にまかせた帰り道

年長さんになって 砂場にトンネルを作ることに夢中な帰り道

だが二十六歳ぐらいから見えるようになる帰路は

振り返っても自分がいない時の足跡だ

わたしたちは点ではなく線の世界に生きている

過程より結果の社会に生きている

思いより形の世界に生きている

「ヨーイ、ドンッ!」

と切ったスタートは走る姿の見えない誰も思い出せないレースとなった