今日と明日の隙間に

まだランドセルを背負っていた時分以来に、田舎へ出向いた。
曾婆さんのお線香を上げに空を渡って来たけれど
墓前にも立たず再び鳥の目から列島を見ていることに気付く。

「あんたは寝ることが嫌いな子だった。夜が来なければいいのに。そういつも言っていたよ」
初日の晩、おばさんが教えてくれた。

今日のわたしも、寝ることが嫌いだ。夜が来る度に思う、明日は本当に来るだろうか、
目が覚めなかったらどこへ行くんだろうかと、疑っている、だから、
布団の中に入って、あの頃と同じように闇の奥にある天井を見つめている。

当たり前の存在を二十年経っても受け入れていないわたしは、寝るのが恐い。
いつ明日が来なくなるかわからないから、今日が最後かもしれないから、
このふたつの瞼が落ちるまで、今日を感じて、生きる。

そしてもし明日がまた来てくれたら、しあわせだ。