人生

混み合う地下鉄に揺られ
家族でもない他人たちと顔の見えない役員の為に汗を流す
ひとたび後ろを振り返ると
運動会の終わりを告げる校歌斉唱や
遠足前日のお菓子の買い出しをするヨーカ堂の景色が広がっている
立ちこめる雑念の立体するビル群を縫うように歩き
陽も沈み切った家路につく
毎日わたしを抱くことに疲れたロングコートを壁にかけ
身を包む分厚い面化粧をシャワーで洗い流す
清められたからだを布団に忍ばせると
そのからだは何十年も前に産まれてきた自分と同じからだだと気付くのだ
失恋をしたわけでもなく、仕事でミスをしたわけでもなく
なぜだか熱く温度をもった涙が
命から滲むように溢れてくるのだ