二度見

借り物の白いTシャツに袖を通す
青白い夜光はカーテンを透かし
浮き上がる血管を柔く照らす
日に焼けた腕が歳を語る年輪のようだ
何も変わっちゃいない
好きな食べ物はカレーに焼肉
語ることはなくなったが夢だってある
叶っていないからとも言えるが。
それなのにどうしたことかその皺は
立派に歳を刻んだ風態の腕がおれの身体から伸びている
他人を見るような目で見るなと掌はピクリ
おれは大人になってしまったのか
鏡を見に行こうも勇気が出ない
ピアニカを捨てたあの日からわかったことなんて1つしかない
オンナには気を付けろ、でもオンナには優しく
そんなことを知るために教室を飛び出したわけじゃなかった
何かを思い出したかのように着たばかりのTシャツを鞘に戻し
季節外れのニットを脇にこさえてソッと夜道に躍り出る
夜が明けるまでが遠足で
そこから先は露の旅