ながら食べ

ラーメンを食べながら片手で漫画を読むような人によく出くわす。視線は漫画、あるいはスマホで、一度もラーメンには目を向けず、右手で麺を口に運び続ける様に器用だなと思うものの、見栄えが悪いなといつも思っていた。その根源にある不快感は何に由来するものか長らく考えてきて、それが今日わかった。テレビを見ながら性行為をしているのと同じなのだ。漫画を読みながらラーメンを食べているのは、漫画を読みながら腰を振っているのと変わらない。食べ物に向き合わない、その食に対するおざなり感が僕は許せなかったのだと東京は銀座の油そば屋で気づいたのでありました。

「物を食べるということは排泄作用と同じくらい恥ずかしいことであって、他人様に見せるようなものではないのではないか」と中島らもが書いていたり、ビートたけしも同様のことをかつて言っていた。食に対する考え方というのはその人となりを表す所作であったり、恥の概念の地下水脈に繋がっているのかもしれない。